columns コラム

当協会の寺社振興への視線

観光振興とまちづくりを考える

寺社振興に伴う観光まちづくりでは、行政施策との連動に注視しなければなりません。これまで行政からは「文化財に対する補助金」などのバックアップもありましたが、それらは至って範囲が限定されていました。ところが、近年はより踏み込んだ施策が展開されています。

これまでの行政の動きを振り返ると、寺社での体験を地域の観光まちづくりのプログラムに取り入れたり、民泊や災害時協定で寺社と連携する動きが生まれたりもしてきました。また、「訪日外国人が日本の伝統・文化を深く理解するためには寺社が欠かせない」との認識が強まり、世界に向けた寺社情報発信の機会も増えています。

国連観光・文化京都会議の分科会では、臨済宗妙心寺派妙心寺退蔵院 松山大耕師が登壇するなど、観光分野における寺社の重要性も高まってきました。国連観光・文化会議、それに先だって開催されたG20観光大臣会合では、2030年までの課題解決を目指すSDGsに沿う観光の在り方が語られました。SDGsは「誰ひとり取り残さない」をテーマとしていますが、これは宗教界が目指しているところと同じです。つまり、観光の未来を考えることは、寺社のこれからを考えることとつながっていると言えます。

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