columns コラム

当協会の寺社振興への視線

寺社のにぎわい復活を地方創生のキッカケにする

「寺社を中心としたまちづくり、近年活気づく門前町の活動(寺社Now9号)」で特集したように、政府の地方創生関連の予算が増額され、地域振興・活性化への動きが加速しています。これを受けて、全国的にさまざまな取り組みが見られるようになり、中でも自治体や大学との連携による寺社門前町・参道の活性化が注目を集めるようにもなりました。

榛名神社(群馬県高崎市)や真言宗豊山派総本山長谷寺(奈良県桜井市)のように、人口減少と来訪者減により活気減少した門前町を、地域一丸で盛り上げ、それを地域活性化の第一歩だとする、そのような試みが各地で動き出しました。同時に、寺社や門前町を会場にしたイベントも頻繁に開催されるようになってきたことで、「寺社とは人の集う場所だ」という認識が、徐々に社会へ広まり始めています。

防災拠点としての寺社がまちづくりの中心へ

人が再び集いはじめたことで、寺社を中心にした地域コミュニティ再構築の動きも、少しずつ活性化し始めています。特に、大きな潮流となっているのが「防災拠点としての寺社の存在」への再確認です。平成23(2011)年の東日本大震災では、首都圏の帰宅困難者が近隣寺社に多く押し寄せました。この事実と、不測の事態に対応しきれなかったという反省、そして宗教者にできる社会貢献の在り方として、「寺社の防災拠点としての機能」が全国各 地で議論されるようになりました。

「防災拠点としての寺社(寺社Now6号)」「災害に備え、今、寺社ができること(寺社Now24号)」などでは、寺社と自治体の災害時協定に向けた動きを伝え、また「寺社を中心に防災を考えること」が地域づくりにもなることを紹介しました。

このように私どもが注目した取り組みを見ても、現代社会において寺社の重要度が年々高まっていることがよくわかります。

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