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東京藝術大学『国宝 信貴山縁起絵巻』現状模写、支援クラウドファンディングの実施

劣化が進む『国宝 信貴山縁起絵巻』を未来につなぐ取り組み

『国宝 信貴山縁起絵巻』は、『国宝 源氏物語絵巻』、『国宝 伴大納言絵巻』と併せて日本三大絵巻として知られる平安時代に制作された作品ですが、絵巻は年々劣化が進むため公開が厳しく制限されています。
そこで現在、東京藝術大学日本画研究室が絵巻を現在の姿で残す「現状模写」に挑んでおり、これが完成すれば、絵巻の素晴らしさを世界に発信する機会が増え、多くの方々に広く公開することができるようになります。

東京藝術大学日本画研究室の取り組み

東京藝術大学日本画研究室では、これまでに『国宝 源氏物語絵巻』『国宝 伴大納言絵巻』の現状模写を完成させてきました。そして2017年度より、11年に渡るプロジェクトとして『国宝 信貴山縁起絵巻』の現状模写に取り組んでいます。
現状模写は、絵巻が作られた当時の色彩を徹底的に調査・分析し、当時と同じ絵具を用いて、剥落、褪色、変色、欠損、しわや汚れ、虫食い跡に至るまで、原本の現在の状態の全てを、東京藝術大学で技術と感性を磨き抜いた人間の目と手を使って正確に写し取るものです。現状模写が完成すれば、劣化防止のための厳しい公開制限のある原本の代わりとなって、より身近に国宝絵巻を知っていただけるようになります。

原本に近い形の模写には、多くの費用が必要となる

現状模写作業には、次のような費用が必要になりますが、東京芸術大学が費用全てを負担することは困難です。そのため、その取り組みの一助となるべく『全国寺社観光協会×東京芸術大学×信貴山 朝護孫子寺』の三者連携のクラウドファンディングを実施いたしました。
① 現状模写のための作業者の人件費
② 高価な使用素材。天然絵具や専用紙(薄美濃紙)
③ 原本確認のための交通費。原本は国宝であるため、保管先(奈良国立博物館)での確認作業が必要で、東京芸術大学と奈良良国立博物館間の頻繁な往復が必要となる。

「文化財の姿を未来に受け継ぐこと」への尽力は重要

現状模写が完成すれば多くの方々に広く公開することができます。これは、絵巻の素晴らしさと共に、日本文化を世界に発信することにもつながります。劣化が進んでしまう原本を、今の姿でしっかり残しておくことは大きな価値があります。
当協会は、「文化財の姿を未来に受け継ぐこと」にも力を入れており、『国宝 信貴山縁起絵巻』の所有者である信貴山 朝護孫子寺様、現状模写を実施する東京芸術大学様が一体となって、クラウドファンディングに挑戦致しました。

成功した二度のクラウドファンディング

当協会企画によるクラウドファンディングは2回実施し、それぞれ成功を収め、東京芸術大学に寄付をさせていただきました。

  • 1回目 20⒘年6月9日終了 (READYFORで実施)
  • 2回目 2021年6月26日終了 (READYFORで実施)

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