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全国寺社観光協会が発足いたしました。

観光立国の基盤としての寺社文化

日本が観光立国を目指すにあたり、国内外からの観光客の誘致、観光による経済効果を経済基盤とする取り組みが進められています。2013年には自民党観光立国調査会が設立され、自然景観・歴史的遺産・風土・都市・レジャー施設・食文化など、さまざまな観光資源の整備が推進されました。

日本の観光にとっては、日本文化そのものとも言える神社・寺院抜きにして観光資源を語ることはできません。神社・寺院は歴史と伝統が息づく日本文化の象徴であり、多くの文化財(国宝や重要文化財)を擁する施設でもあります。これらの宗教施設は、日本を訪れる観光客にとっても重要な目的地の一つです。

政教分離の原則による制約

一方で、「政教分離の原則」による制約があり、神社・寺院などの宗教施設と公的観光政策との連携は、文化財保護のための資金拠出などを除いて非常に限定されており、この制約は観光資源としての神社・寺院の活用を妨げる要因の一つとなっていました。

一般社団法人 全国寺社観光協会の設立

このような状況を受け、全国の神社・寺院が観光立国推進に寄与するキッカケとなるべく、2014年2月14日に「一般社団法人 全国寺社観光協会」が民間の協会として発足しました。当協会は、神社・寺院が持つ歴史的・文化的価値を最大限に活かし、観光を通じた地域経済活性化と日本文化継承を図ることを目的としています。日本政府や自治体、一般企業・団体などと全国の神社・寺院が連携し、観光立国推進に向けたさまざまな活動を展開できれば、神社・寺院と地域社会の結びつきが強まり、文化的・経済的価値が発揮できると私共は考えています。

当協会が考える「観光」とは?

当協会にとっての「観光」とは英語のsightseeing(景色を見ること)にとどまらず、「神仏や日本の伝統という光り輝く本物(光)」がそこにあり、それを観ることと考えています。「観る」とは、ものごとの表面的な有様を突き抜けて、その本質を見透かす智慧のはたらきを意味します。日本の神社・寺院は、単に美しい景色として存在するのではなく、そこに宿る歴史・文化・精神的価値を体感し、内面的な成長を促す場所であると捉えています。

様々な手段により人々にそれを伝えるために、最大限の努力と多様な挑戦を行うことに当協会の役割と存在意義があります。

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