(前略)
和泉: 観光立国調査会は提言の中で「文化遺産を観光資源として積極的に活用する」と述べていますが、神社仏閣を外国人観光客増にもっと生かすにはどうすればいいでしょうか。
山本: 体系的な情報発信が不可欠です。どんな素晴らしい神社仏閣でも、存在を外国の人に知ってもらわなければ来てくれません。日本の寺社の魅力を体系化して、各国の言語に訳しインターネットで海外に発信する必要があるでしょう。「これを見たら日本の寺社のことはだいたい全部、分かる」と思ってもらえるような。外国人旅行客の増加で面白いと思ったのは、最初はメニューが決められた団体旅行で日本に来た人が、次は行きたい所を自分で決めて個人旅行でリピーターになるんだそうです。飛行機や宿の予約もインターネットで。団体旅行の東京、富士山、京都という定番コースを卒業して、もっと深い所に入って行こうという密度の濃い個人旅行に、寺社観光はまさにぴったりで、観光資源として大きな可能性を秘めています。
(以下略)